新たな診断、アイカルディー症候群と診断されたのは退院後の外来受診した時だった。
退院するとゆうかの主治医はK先生から神経科の部長のN先生に代わった。
そのN先生からトキソプラズマではなくアイカルディー症候群だと診断されたのだ。
点頭てんかん、脳梁欠損、網脈絡膜異常、女児、特徴とする4つの症候が全てあてはまったためである。
N先生はアイカルディーだと歩いたり走ったりは難しいと言った。
またまた家に帰り調べてみると重症例だと乳児期早期に死亡するか生存例も重度の精神発達遅滞を伴うとあった。
このころには大抵の事には驚かなくなっていた。
それよりもこんなに重大な病名をあんなにもあっさり告知した医者に腹が立っていた。
私達は悠夏の病気を事実として受け止めるのは早かった方だと思う。というより症候群と呼ばれるものは予後がまちまちなのだから悠夏がどうなるかなど誰にもわからないことなのだから。
希望を見出す方に変わっていったのだった。
入院中に再びあらわれた発作のような動きはデパケンを飲んでいても治まらずその動きは点頭発作に似てきていた。発作の後は不機嫌になるし発症当時の嫌な感じがよみがえる。
予定より早めに外来の予約をとり受診したのだった。
家で撮った発作のビデオを見たN先生は「携帯用ポータブル脳波装置」なるもので24時間脳波を撮りましょうと言い、その装置をつけて家で24時間過ごした。
そういわれても今度はその装置の性能が心配だった。この程度の電極数で異常波が拾えるのだろうか・・。どの程度信憑性のあるものなのか・・。
でもこれで発作の型がはっきりし、正しい選択薬が見つかると思い期待していた。つけている間7回ほど発作がありばっちり撮れたはず。
次ぎの日装置を外しに病院に行き、その後診察となった。
「てんかん波はありませんでした。だから薬もいりませんね。」診察室に入るといきなりそう言われ、開いた口がふさがらなかった。
「えっ!てんかん発作じゃないの?じゃ何?」念を押すように「てんかん波が全くないのですか?」と聞くと
「1個もありません。てんかんはよくなったようですね。よかったですね。」
正直に言うと私達は信用できなかった。あまりに点頭発作に似ていたから。
悠夏のこの発作のような動きは不随意運動(?)と呼び方が変わった。不随意運動なら放っておいても良いそうだ。人事だと思って・・・。放っておけるわけないだろうに。私達は何となく納得がいかないまま診察室を出た。
今でもこの不随意運動(?)は続いている・・。
闘いはまだまだ始まったばかりである。
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