暮れ(12月24日)にとった24時間脳波記録にはてんかん波は一つもないはずだった。だからてんかんは良くなったのだとN先生は言った。先生の前で点頭発作を起こしてそれを見ているのに、疑いもしない。
薬も中止して良いと言われた。脳波に異常がないならてんかんではなく不随意運動だからと言う理由で。納得がいかなかったが自信たっぷりの先生の態度におされてしまった。
いよいよ年末になり悠夏の不随意運動はひどくなり病院に毎日電話した。
「再発してるのでは?」親のカンだった。けれどこんなに早く再発は考えられないと受け入れてもらえない。
年明け4日にたまらず受診した。不随意運動にしても不機嫌が続くしミルクの飲みも悪くなっている。何か治療をした方が良いと思ったからで、この時ひそかにもう一度脳波の検査をしましょうと言われるのを期待していた。だが、N先生はやはり前回の発作時脳波に異常がないのだからてんかんではない、の一点張りで、リボトリールという不随意運動に効くらしい薬を処方するだけだった。
「再発じゃないのだろうか」日々疑問は募っていった。
悠夏の様子は完全に闘病中の感じになっていき私たちは真剣に転院やセカンドオピニオンを考えていた。
1月13日に、訓練を受けることになった身障児学園の神経科のM先生の受診があり、不随意運動の診断に疑問があること、納得がいかないことをお話するとすぐに脳波検査の予約を入れてくださった。
1週間後に予約がとれ、次ぎの診察の時に発作のビデオを持参することにしその日は帰った。
1月18日、H学園にて脳波検査。その際の脳波所見にてヒプスアリスミア(点頭てんかん特有の脳波)が認められ、同時にビデオを見たM先生は「再発してますね。」と言った。
「やっぱり・・。」私達のカンはあたっていた。と同時にとんでもない怒りが込み上げてくるのを感じた。親の意見を無視し、根拠も無くこんなに早く再発しないなどと言ったN先生に対して。涙が出るほど悔しかった。ここで脳波検査をしなければN先生の言う不随意運動と言うことで1ヶ月も2ヶ月も様子を見られていただろう。(脳波検査は2ヶ月に一度でいいといわれていたため)
M先生のとりはからいで再入院の手続きがとられたようだった。
N先生は「そういうことなら明日来てください。」と言った。
次ぎの日私達はH学園でとった脳波検査の記録用紙を持って、半ば殴りこみ(?)に行くような勢いでN先生の診察室に入った。
「脳波に異常があったそうですね。」開口一番にN先生は言った。
今まで我慢してきたものが一気にこみ上げて、私の口は相手が医者だとかそんな事をまるで無視するように動き出していた。
|