「学習時間と各分野の攻略」

私が準1級検定受験のために用意した期間は75日間です。2ヵ月半というところでしょうか。当初2ヵ月半では無理だと思っていました。でも私の性格なのでしょうか、あまり目標が遠すぎるとやる気がおきないのです。1年あってもどうせ始めるのは目先になってからだろうと思い75日はギリギリかなと思いつつ学習を始めました。

受験を決めつつも進み具合で願書提出しようと提出期限が近づくまで申込しませんでした。でも今思えば本気になったのは願書を提出してからだったように思います。学習時間もぐっと増えました。

当初最初の1ヶ月は夜1時間半、朝復習に30分から1時間くらいのペースだったと思います。1時間半は集中力が持ちましたがそれを超えると、休憩を入れて嫌になるかもう少し頑張るかの繰り返しだったように思います。

それでも勉強しない日は1日もありませんでした。幸い年末年始の長期休暇があったのでそこでかなり学習時間を確保できましたね。休日(うちは自営業で日曜のみ)は午前2時間、午後2時間、夜できたら2時間という具合で近所に買い物に行く以外はほとんど勉強していました。家族の理解があったことも私の大きな支えだったと思います。

12月に家族旅行に行きましたが、そこでも問題集を持って行きぼけっとしていてもしょうがないと勉強しました。気持ちさえあればどんな状況でも勉強できるんだと今更ながら思いました。なぜ学生の時こういった意欲がわかなかったのでしょうね・・・。

決して余裕があったわけではない学習時間でしたが不合理なことが嫌いな私はなるべく無駄のないよう短期集中で確実にものにできる方法を常に考えていました。これからが私が伝えたい「こうして良かった」という勉強の順序なのですが、この順序がとても良かったように思います。


●読み先決!

まず出題分野はいろいろありますが、四字熟語や対義語、類義語よりもまず読みを最優先しました。まず読めなくては話になりません。最初に取り掛かったのが高橋書店の頻出度別問題集の頻度AとBの読み問題でした。この問題集は問題数がとにかく多いのでABの読みだけを只管勉強するというのは飽きも来て他のことをやりたくなる衝動と闘いました。

方法はいたってシンプルです。読めない問題をルーズリーフに問題ごと写すのです。解答は赤字で書きました。わからない熟語はその下に意味も書きました。わからない問題はと言いましたが初めはほとんど教科書写しのレベルでした。

読みは前後の文章との関係で意外と勘で読めたりするのですが、前後の文章がない(その漢字のみ熟語のみ)と読めないので驚きました。だから後で復習するときのために問題ごとノートに書いていたのです。地道な作業でした。夜この作業を只管やり朝起きて何かをする前に復習するようにしました。するとほとんどが覚えられていて、この時このやり方が自分にあっていることを確信しました。寝る前に学習し朝1番で復習する!これが何より学習期間が短い私の合理的効果だったように思っています。


●読めるようになったら書け!

頻出度ABの読み問題を全て終えた後、ABの書き問題に取り掛かりました。やり方は読みの勉強と同じです。ただ書き問題は文章をなるべく写さず問題の熟語のみで書けるよう頑張りました。

書き問題の勉強で困ったのは書き順でした。「鼎」「嚢」「蠅」「鹸」などはどう書いても変な形になるのです.。鹸などは左側ばかりが大きくなり非常にバランスの悪い見栄えでしたね・・・。まあ、これも書いていくうちに見られるようになりましたが。少したって書き順を教えてくれるサイトを見つけその後はこちらでお世話になり、なるほど書き順とは大切なんですね、その通り書くとやはり書きやすく綺麗に書けるのです。


●これはなかなか面白い故事・諺(ことわざ)

書き問題がある程度できるようになってから故事・諺
に取り掛かりました。故事・諺の問題はためになることも多く、面白かったですね。書き問題とだぶる問題も結構ありました。

今までの3項目での共通の重要事項ですが、ノートに写す際には声に出して読みながら移すことをお勧めします。小声でぶつぶつでもいいのです。念仏のように唱えながら書くとリズムが生まれ脳に入りやすくなったような気がします。大した努力もいらないのでこれは是非やってみて下さい。

ABの3分野を克服した後、頻度Cの3分野に取り掛かりました。結局頻出度問題集の読み・書き・故事諺を全て終えてから、ようやく対義語・類義語に取り掛かったのです。

この問題集を完璧につぶす気があるのなら、頻度Aをすべてやるよりも分野別に潰(つぶ)していった方が良いように思います。読み書きに自信がつけば難しいと思われる対義語・類義語、四字熟語で挫(ざ)折感を味合わないで済むような気がするのです。その後対義語・類義語のABCを全て攻略、次に熟語と一字訓の読み問題ABCを攻略、これで一旦この問題集での学習を中止しました。


●避けていた誤字訂正・四字熟語

頻度別問題集の読み書きをある程度潰したころ、ようやくこの世界が面白いと思えるようになりました。元々国語が好きで始めた検定でしたが、最初は「何のために?」の疑問の応酬でした。この頻度別をある程度やったころから知識欲が満たされる満足感を覚えるようになりました。こうなるとしめたもので勉強がどんどん楽しくなっていったのです。この時点ではまだ四字熟語には全く手付けずでしたから・・・。

初めから四字熟語は最後に取り掛かろうと決めていました。早いうちから中途半端に覚え忘れていくのが怖かったからです。ですので、頻度別の読み書きを終えた後は「完全征服」の読み書き・故事・諺・対義語・類義語の潰しにかかりました。

完全征服は頻度別とだぶる問題がかなりあって、初めて見る問題のみノートに写せばよかったので精神的に楽でした。この時すでに40日近く経過していましたが、買っておいた過去問の出番はまだまだ先の話でした。


湧(わ)いて出る初めて問題

試験を1ヵ月後に控えたころ、四字熟語を全く勉強していない白紙状態で試しに漢検発行の過去問をやってみました。四字熟語の配点は全部で30点、これはまったく取れなくても他である程度稼げるだろうと思ったのです。ですが結果はなんと98点!大丈夫か自分!と少し青くなりました・・・。

今も思うのですがどんなに頻度の高い問題を繰り返し解いて完璧に覚えても、湧いて出る初めて問題には歯が立ちません。この時改めて配当漢字全てを理解していないとだめなんだ・・・と実感しました。そして配当漢字ノートを作成したのです。(別ページで画像紹介しています。そちらで詳しくお話しします)


●本試験タイプの過去問は最後の最後!

頻度別問題集と完全征服を80%程度覚えた!と思って僅(わず)かばかりの自信を持って望んだ過去問でしたが98点と撃沈しここで初めて真剣に配当漢字表の全貌(ぼう)と向かい合ったのです。

それまでは解らない漢字を調べるだけでした。ですが先に言ったとおり、おすすめの問題集を網羅しても初めて見る配当漢字がわかりません。これは一度配当漢字をすべて書いておく必要があると思いました。

そこで漢字練習ノートを2冊用意し、配当漢字を全て書くという作業を付け加えたのです。勿論(もちろん)今までしていた学習にプラスですのでこれはちょっとした
空時間にちょこちょこやるようにしました。

配当漢字の標準字体、許容字体、音訓の読みを全て写し、下の空欄のマスには問題で出てきた熟語を書き込むようにしました。こうするとどの問題で配当漢字が使われたかが一目瞭然(いちもくりょうぜん)で、どの文字が多く問題に使われているかや、全く使われていない配当漢字があることなどが、あからさまに判ってきたのです。

今思えば、自分が勉強した配当漢字の熟語以外に埋まっていない配当漢字がまだたくさんあったのだから、そこまで理解しておけば良かったのです・・・。結果的にはそれをしなくても合格できたのだけれど、初めて問題にこんなに悔しい思いをするなら・・・。

実はこの配当漢字表は最後まで完成しなかったのです。過去問を取り掛かる頃から時間がなくなりました。だから高得点や満点で合格を狙う方には是非是非この配当漢字表の潰しをやっていただきたいのです。


*一目瞭然(いちもくりょうぜん)一目で明らかにわかるさま


>トップに戻る